猫背・巻き肩というのは、背中が丸まっていて、肩関節が内旋（内側に巻き込まれている）している状態です。

通常、人は立った時に、両手は身体の側面に位置し、親指くらいしか鏡に映りませんが、巻き肩の場合は肩が前方に巻き込まれ、腕が内旋し、手の甲が鏡に映り、手のひらが後ろに向いた状態になります。

この状態は、本来特にゆがんでいるわけではありません。人間に近いサルやチンパンジーなどを見てもらえばわかるように、そういった動物も基本的に巻き肩なんです。ただ、人間の場合は、長時間のデスクワークや運動不足により、その状態が維持されているのが問題なのです。

長年お悩みの方はご存知かと思いますが、見た目の問題のみならず姿勢の悪さが肩こり、首の痛み、ストレートネック、腰痛などの原因になっていることが多く、中には日常生活に支障をきたしてしまう場合もあります。

巻き肩の状態では、胸の筋肉が収縮し続けるので、大きく息を吸うことができず、呼吸が浅くなりがちです。

猫背になると首肩こり、視力の低下、運動能力や体力の低下、腰痛、頭痛、成長痛などははもちろん、疲れやすくなり、冷え性やむくみなど循環障害の原因にもなると言われています。

また高齢者になると、骨粗鬆症が原因で背骨の圧迫骨折や変形による円背と言われる「く」の字に曲がってしまう場合もあります。

「長年気になっているものの、猫背・巻き肩の姿勢矯正がなかなかできない、何とか改善させたい」という方も多くいらっしゃいます。

このサイトでは、開院以来「姿勢の改善」でお困りの方々を多数施術してきた鍼灸整体院の院長が整体的視点から「猫背」「巻き肩」「姿勢矯正」について、その改善方法などを解説していきます。

近年では、スマホの普及で、猫背・巻き肩、ストレートネックの方も増えており、いわゆる「スマホ症候群」と呼ばれます。 肩や肩甲骨に着目すると「スマホ巻き肩」、背中に着目すると「スマホ猫背」、首に着目すると「ストレートネック（首猫背）」といいます。

いろいろな言い方はありますが、結局のところ、不良姿勢と運動不足が主な原因です。

スマホやパソコンが当たり前になり、長時間のデスクワークやゲームでますます運動不足となり、姿勢の悪さは現代病になっています。あなたのスマホ使用時間は1日何分以上でしょうか？

成人の頭の重さは約5～6kgあり、うつむくだけで、頭の重さの数倍の負荷が首にかかります。もっとも姿勢が悪いと首への負荷は27kgになります。これは8歳の児童の平均体重に相当する負荷です。

その負荷に耐えるために、正常な姿勢と逆の状態、つまり、背中は丸まり、首は真っ直ぐになります。

猫背や巻き肩の姿勢は癖になってしまうと、常に肩周りの血行が阻害され、肩こりや疲れやすさの原因となり、呼吸が浅くなり、息苦しさや集中力・記憶力の低下などを引き起こします。

猫背は”意識”では直りません！！

猫背を直すために”意識的に”胸を張って、顎を引いて…

という指導を受けたり、テレビや雑誌などでご覧になった方も多いと思いますし、あなた自身も猫背を「意識の問題」と考えているかもしれません。

しかし、残念ながら猫背は意識だけでは直りません。

意識で姿勢をキープできるのはせいぜい数分程度。その後はまた猫背に戻ってしまいます。なぜなら体は良くも悪くも、元の状態に戻ろうとする働きがあるからです。

また、過度に姿勢を意識するあまり、筋肉の過緊張によって、「腰痛や頭痛が起こる」、「呼吸が浅くなって自律神経が乱れる」などの弊害も起こり得ます。

猫背の根本原因は筋肉低下や全身のバランスの乱れです。猫背を治したいのであれば、そのあたりの筋骨格系のケアを行うことが最優先となります。

薬ばかりに頼りたくない方や、病院以外の改善法を知りたい方は、ぜひお試しください。

このサイトでは、猫背・巻き肩に関する一般的な原因や考え方に加えて、当院が考える原因や根本的な改善法などについて解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めていただき、改善のためにお役立ていただければ幸いです。